よくあるご質問

Q1.公正証書遺言が推奨されるのはなぜでしょうか?

A1.遺言書は厳格な要式行為であり、1つでも所定の要件が欠けていると無効になってしまいます。公正証書は専門家である公証人が作成するため、そのような心配がありません。また、他の相続人から「相続人に迫られて無理やり遺言書を書かされた」「被相続人は痴呆症で意思能力がなかった」「遺言書は偽造だ」といった異議が出ることも少なくなります。数万円程度の費用がかかりますが、当事務所では公正証書遺言を推奨しています。

Q2.遺言執行者の選任が推奨されるのはなぜでしょうか?

A2.遺言書が完全なものであっても、隠匿された財産や費消された財産の存在について疑義が生じたり、一部の相続人が手続に協力しないため遺産分割手続が進まない場合があります。遺言執行者を選任しておくことによって、相続財産に疑義が生じなくなり、また、手続を完全かつ円滑なものとすることができます。

Q3.封をされた自筆の遺言書が出てきたのですが、開封しても良いのでしょうか?

A3.自筆証書遺言書は、家庭裁判所の検認手続によって開封しなければなりません。

Q4.他の相続人は既に多額の財産をもらっているのですが、現時点での財産を平等に分けなければならないのでしょうか?

A4.既に贈与された財産は、相続財産に含めて、分割手続を行います。

Q5.私は、長男として家業の発展に大いに貢献してきました。
それでも全員平等に遺産を分配することになるのでしょうか?

A5.被相続人に対して、特別の寄与をしてきた相続人には、寄与分として相続分の特別の加算が認められる場合があります。

Q6.遺言書に「全財産を長男に譲る」と記載されていました。
他の相続人は一切財産をもらえないのでしょうか?

A6.遺言書がある場合でも本来相続するはずであった法定相続分の2分の1は遺留分として受領することができます(兄弟姉妹を除きます)。遺留分の請求は、遺留分が侵害されていることを知ったときから1年以内に行わなければなりません。

Q7.推定相続人(相続人となるべき予定の人)が私の介護を全くしてくれません。
財産は他の人間に譲りたいのですが、遺言を遺していたとしても遺留分は推定相続人が相続するのでしょうか?

A7.相続人に被相続人の介護の放棄や暴力といった著しい不行跡がある場合には、相続人から廃除し相続の資格を失わせることができます。

Q8.被相続人が借金を残して死亡したようなのですが、どうすればよいでしょうか?

A8.相続する財産がない場合には、相続を放棄すれば借金を引き継ぐことはありません。相続財産と借金のいずれが多額であるか不明の場合には、限定承認の手続をとることになります。

Q9.被相続人は、知人の借入の保証人なっていたのですが、保証人の責任も引き継ぐのでしょうか?

A9.保証債務も債務ですから相続の対象となります。ただし、限度額を定めない根保証(主債務者と同等の責任を無限定に負う保証)については、根保証契約は保証人の死亡によって終了し、相続開始後に発生した債務については責任を負わないとされています。

Q10.被相続人には借金はないと考えて相続放棄期間を過ぎてしまいました。
ところが最近になって被相続人に借金があったことが判明したのですが、もう相続放棄はできないのでしょうか?

A10.「相続の開始を知ったとき」の解釈を緩やかに解釈して、予期しない負債があった場合には、その時点を「相続の開始を知ったとき」とし、その時点から3ケ月以内であれば相続の放棄を認める判例も存在します。しかし、必ず認められるとは限りませんし「相続の開始を知ったとき」がいつであるか立証できない場合もあります。被相続人の負債に不明点がある場合には、限定承認の手続をとっておくことをお勧めします。

Q11.不動産の登記を被相続人の所有名義のままにしておいてもよいのでしょうか?

A11.被相続人の登記名義のままにしておいた場合、第三者に登記名義が移転されると自己の権利を主張できなくなってしまう場合があります。また、年月を経て更に相続が繰り返されると関係者が膨大な数となり、容易に手続を行えなくなる場合があります。
できる限り早期に権利関係を確定させ、登記名義もこれに合わせて変更すべきです。

Q12.両親は昔離婚して、以後父とは音信不通です。
そのような場合でも相続するのでしょうか?

A12.父母の離婚は相続関係には影響はありません。
通常の場合と同様に財産と債務の双方を引き継ぐことになります。

Q13.相続人全員が相続を放棄した場合又は当初から相続人が一人もいない場合はどうなるのでしょうか?

A13.相続財産管理人を選任することになります。相続財産管理人は全ての財産を集め、債権者に分配し、残余財産があれば、その一部又は全部を特別縁故者(被相続人の介護に努めた人など)に分配します。特別縁故者もいない場合には、財産は国庫帰属となります。

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